とくもちの解剖日誌

何気ない日常から自己分析したり、発信したりします٩( 'ω' )و

『明日は葉緑体』③・④ 二次創作のプチ小説

先週は休んでしまってごめんなさい~(´・ω・`)

先週の分も合わせて今日は③・④でちょっとボリュームアップしてお届けします!

 

元ネタのマンガは↓の作品です〜

かくたすず✍️2022/1~ 連載 on Twitter: "人間が光合成できるようになる未来の話 『明日は葉緑体』というSFマンガ(再掲)です。 #創作漫画 #SF (1/8)… "

作者様には二次創作の許可は頂いております。

そういう構想が思い浮かんで、ほぼ物書きとかそういう勉強もしたことがない私がただ楽しんで書いているだけなのでその点ご了承の上お読みください〜🙏

 

さっくりあらすじ

主婦の奈緒子は人間緑化計画の存在を知り、被験者になるかどうかを悩んでいた。

そのことを夫 雄大に相談するとあっさり賛成され、応募を決める。

5月末のことだった。

薬が届いて3日間の様子を奈緒子は日記に書いていた。

3日目の夕方雨が降っている中、奈緒子は娘の友奈のお迎えに保育園へと向かう…

 

①は↓

『明日は葉緑体』 二次創作のプチ小説 - とくもちの解剖日誌

②は↓

『明日は葉緑体』② 二次創作のプチ小説 - とくもちの解剖日誌

 

f:id:otama_zyakushi9:20220220210903j:image

外に出て湿った空気を感じながら、私は自分がどれだけ高揚している気分なのかを知った。

いつもならこの空気もどんよりとした重い空模様も、憂鬱にしかならないのに…

傘を持ちながら軽い足取りでマンションのエレベーターに乗り込みホールを抜ける。

 

傘にあたる雨音が心地よくてうっとりする。

歩いて15分かからないくらいの短い距離だけれど、少し傘を外してしっとりとした雨にうたれていて気がついた。

きゅううぅ……

手の甲にあたる雫が肌に吸収されていくではないか。

まさか…………???

手のひらにも、腕まくりをして腕にも雨をあてると、どんどん吸収していく。

それと同時に、ちょっとずつ身体が乾いていたかのような感覚が薄れていく。

たしかにさっきまでいつにも増して仕事に集中できていたから、水分補給がしきれていなかったこともあるけれど、夫の雄大と話しながら少しお茶も飲んでいたが足りなかったようだ。

雨が自分を潤して満たしてくれている。

今までに感じたことがない感覚に子供のようにワクワクしてしまって、それからは傘をささずに保育園まで向かってしまい、友奈と保育士さんにまでびっくりさせてしまった。

自分の肌が出ているところはある程度まで水分を吸水していたが、服はもちろん濡れてしまうからだ。しかも傘をささずに持っていたから、なおさら不思議だったんだろう。

友奈と他愛ない会話をしながら2人で傘をさして帰った。

 

家に帰ると雄大がご飯をつくって待っていてくれたが、匂いだけでお腹がいっぱいになっていることに気がついた。

匂いは感覚として分かるが、以前のような匂いから湧き上がる「食欲」が一切湧かなかったので、雄大には食欲がないからご飯がいらないことだけを伝えて、また自室にこもって仕事を再開させた。

 

友奈の寝かしつけまでしてもらったんだろう。

また集中しすぎてしまって、雄大が控えめにドアをノックする音が聞こえてくるまで、仕事以外の何かを全て放棄して作業していたことに気がついた。

飲むことのなかったティーカップ

見られることのなかった携帯

時計を見たらいつもなら友奈が寝ている時間だった。

「はーい」

控えめに返事をして、ティーカップを持って手早くリビングへと向かった。

 

 

「大丈夫か?そんなに仕事に没頭して。お疲れ様」

「ありがとう…」

温かい紅茶の入ったカップを受け取りながら反省する。

「ごめん、ご飯も食べずに…友奈のことも全部あなたに任せちゃって…………」

「それはいいよ。食欲がないのはきっと薬の副作用だろ?」

「うん。もうご飯はいらないと思う。だから友奈にもちゃんと説明しないとね。」

「それもそうだけど。俺は奈緒子の身体の変化が気になるな。今日はずっと集中してただろ。それもいつにも増して長時間。寝てた?」

「そんなわけないでしょ。朝からずっと起きて仕事をしてたよ。本当に、びっくりするぐらい集中できるの。仕事が楽しかったのは元からだけど…周りのことも気にならないし、友奈の声もあなたの声もほとんど聞こえなかったし、時計を見るのも忘れてたくらい。」

「それはすごいなぁ、それも人間緑化計画の薬の副作用なのかな?」

「さぁ…………

 でも、このままなら私本当に嬉しい。大好きな仕事がこんなにサクサク進んではかどって、もっと多くの作品を作れるなら、仕事を増やそうかな。どう思う?」

「うーん…とりあえずもうちょっと様子を見てみてもいいんじゃない?」

「そっか、それもそうよね。あなたのやることばっかり増えてしまうもんね。友奈のこともそんなに任せ過ぎちゃってたらお義母さんに怒られちゃうね」

「母さんには言わないよ。」

「もうこんな時間なのね…今日はあっという間だったわ。」

「ゆっくり休みな。明日も平日だから。」

「そうする、ありがとう」

リビングで飲んだお茶が染み渡る。

あーあ、昨日の夜ご飯が最後なんだったら、もっと自分の大好物の食事にしたらよかった。

多少残念だったけれど、一日のうちに何回も行われる食事の時間がなくなることに対するちょっとした希望に胸を弾ませながら眠りについた。

 

実験4日目

昨日と同じように日中は集中力が異常に続き、とうとう朝用意したティーセットに手をつけることなく昼間がほぼ終わってしまっていたので、集中力がぷつっと切れた夕方頃には喉がカラカラだった。

家事をほぼやってくれている夫に唯一できる貢献が、こうして友奈のお迎えに行くことくらいだろうと思っていたので、この日も迎えには私が行った。

外に出ると想像以上に疲れていたことに気がついた。

仕事は楽しいので、集中しすぎていても興奮状態になっているんだろう。

ただこうして業務的に動こうとすると(気持ちが途切れていると)身体の疲労感がぐっと感じられる。

 

マンションのホールを出ると時間は夕方ではあれど晴れていた。

ただ、太陽の光を浴びるとじわじわと元気が出てきた。疲れていてぐったりした気持ちが上向きに変わるので「やっぱり陽の光は強いなぁ」なんて感じていた。

~~♫ ~♪ ~♬

歩いているうちに自然と鼻歌を唄っていた。

ああ、気持ちいいなぁ…

気がついたら保育園に着いていた。

「お母さーん!!」

友奈が花のような笑顔で大きく手を振っていた。

 

つづく

 

 

今日は2話分だったので少し多くて大変でした〜_(-ω-`_)⌒)_

でも書くのは楽しかったです。

来週もお楽しみに〜(๑¯ω¯๑)

 

読んで頂きありがとうございました!

またね🌙

02.20.21:05